この度、平成27年5月17日に行われた理事会で、遠藤郁夫先生の後任として、会長に選出されました。
歴代の会長に比べて、いわゆる盛岡弁で言うなら「ケェネー」会長であり、自分の力不足を痛感しております。津軽弁の「けね」には、7通りの解釈(岩手日報・風土計・平成24年6月28日)があるそうです。並べると「毛がない」から「弱々しい」「あげない(与えない)」「大丈夫」「簡単(容易)」「食べることができない」や「消えない」まで、その場の状況、アクセントの高低、強弱などから互いに理解できますが、盛岡弁とも微妙に意味が異なっているように思います。
先日、「ルポ保育崩壊(小林美希著)」という本を読みました。「ここに子どもを預けていて、大丈夫なのだろうか」、狭き門をくぐりぬけて保育所が決まっても、自分の子どもが通う保育所に不安を覚え、一安心とはいかない現実がある。待機児童の解消ばかりに目が向き、両輪であるはずの保育の質が低下している。「箱物」は用意されても、肝心の人材確保や人材の教育が追いつかない。保育が、子どもの価値がどう位置づけられているのか…。平成27年度から、「子ども・子育て支援新制度」が始まり、保育所の仕組みががらりと変わりました。自治体の保育に対する責任が後退し、保育の平等が保障されず子どもの福祉は二の次で、親の経済力に左右される懸念もあります。
保育を取り巻く環境は、年々厳しさを増しています。保育業務の中で「保育保健」の占める領域が広がっています。「保育保健」は、園医だけの問題ではありません。一日を園児たちと共に生活している保育士、看護師、栄養士、調理師、園長、行政にも大きな責任があります。園児の低年齢化、長時間保育、障害児保育、病後児保育、食物アレルギーや慢性疾患、感染症、予防接種、健診等、園児が健康に育つためには、多くの課題があります。「保育保健」の課題を共に考え、これからの対策に活かしましょう。
最後の責任は、私が取りますので、自由に意見を言ってください。会員の皆様のご協力を切にお願い申しあげます。
会長 三浦義孝